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クロマグロ否決でBBC記者「欧州敗因は偽善」(産経新聞)

 【ロンドン=木村正人】カタールで開かれているワシントン条約締約国会議で、大西洋・地中海産クロマグロの国際取引禁止案が否決され、米国や欧州連合(EU)は失望感を隠さず、大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)で漁獲制限の強化を図る方針を表明した。一方、否決の結果について、日本の交渉筋は「漁獲物の輸出に頼る途上国の間に、取引禁止案は自国や域内に巨大市場を抱える先進国の身勝手だ、という不公平感が広がり、予想以上の大差がついた」と分析した。

 英BBC放送の環境担当リチャード・ブラック記者は、ブログで「EUがクロマグロ問題で敗北を喫したのは偽善が根底にあったからだ」と辛辣(しんらつ)だ。

 地中海でクロマグロを乱獲した張本人はEUの沿岸漁業国。ICCATの科学委員会が提案した漁獲モラトリアム(一時中止)をロビー活動で退けたのは、ほかならぬEU加盟国で、日本は協議で「これは絶滅危惧(きぐ)種を守るワシントン条約ではなく、EU自身の問題だ」と反撃した。

 しかも条件付きでの禁輸を求めたEU案は、EU域内の取引継続を前提にしているとされ、同記者も「EUにとり都合の良い話で、正当性を訴える一貫性を欠いていた」と指摘する。

 近年、リビアやチュニジアなど北アフリカの地中海沿岸国もクロマグロの漁獲に参入。最大消費国の日本がこうした国と組めば、国際取引禁止後も留保権を使い輸入を継続できる。このため、フランス、イタリアなどの水産業界は「北アフリカ諸国に水産利権を奪われる」と猛反発していた。

 18日の協議で、モナコとEUの提案に賛成意見を表明したのは、米国とノルウェー、ケニアの3カ国。反対意見の表明は日本、韓国、カナダなど13カ国とアラブ連盟だった。

 大差での否決に、EUの欧州委員会は18日の声明で「失望した。EUはクロマグロの資源回復に強力な措置が必要だとの立場を維持する」とし、ICCATで漁獲制限を徹底させる方針を示した。ただ、北アフリカ諸国にもクロマグロの利権をあさる欧州資本が大量に流入しており、欧州資本による違法、過剰漁業の取り締まりも課題になる。

 一方、米国交渉団のストリックランド代表は「18日の投票は後退だが、米国は持続可能な形で漁獲が管理されるよう戦い続ける」と強調した。

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